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■摂食機能の発達〜おっぱい飲みから離乳食へ〜
赤ちゃんは教えもしなのに、哺乳反射で生まれてすぐおっぱいを吸うことができます。しかし、食べる機能は生まれ持っているものではなく、練習や体験を積んで獲得していきます。おっぱいを飲む哺乳反射は生後5〜6カ月頃から弱まっていき、指しゃぶりやおもちゃなど口を使った感覚体験を積むことで、食べる準備が整っていくのです。
離乳の初期は、スプーンを口に運んでもタイミングよく口を閉じることができません。舌をべろべろさせて、食物が口からこぼれてしまいます。またのみ込むとき上口唇の形は変わらず、下口唇が内側にめくれ込む様な動きが観みられます。口を閉じながら下口唇が内側に入る動きによって、舌が出てこないようにしてゴックン飲む練習をしているのです。
(図1)
中期になると口唇を上手に閉じて、スプーンから食べ物をしっかり取り込むことができるようになります。そして、口唇を閉じて食物を、舌とうわあご(口蓋)で押しつ部数語気がでてきます。外から見ると、ゴックンのとき、口の両側にしわが寄って呑み込みが力強くなります。(図2)
離乳の後期になると、舌が左右に動いて奥歯の生えてくる土手(歯槽堤)で、食べ物をすりつぶすような動きになります。外からは口角がねじれながら、モグモグ食べる様子が見られます。(図5)そして自食の段階にいくには口だけでなく、口の手の協調運動の発達が重要です。手づかみ食べでくり返し口まで食物を運ぶ練習をしてやがて食器を使って食べられるようになります。
このように、食べる機能の発達の道筋には順序があり、その順序を踏んでおっぱい飲みから食べる動作へ変わっていきます。しかし、食べる障害を持つ人たちは、年齢が高くても、摂食動作の未熟さや、悪い食環境(姿勢、食器・食具、介助の不適)などのために、食べる機能の発達が阻害されていることが多いのです。その発達段階を的確にとらえて、援助していくというのが摂食指導の基本的な考え方です。どこに問題があるのか診断して、今持っている能力を最大限に引き出しつつ、発達にそって伸ばしてあげるような訓練が必要になってくるのです。 (表1、図6、図7)
表1 摂食・嚥下機能獲得段階の特徴的な動き
| 経口摂取準備期 | 哺乳反射、指しゃぶり
玩具なめ、舌突出など |
| 嚥下機能獲得期 | 下唇の内転、舌尖の固定、
食塊移送、
舌の蠕動様運動など |
| 補食機能獲得期 | 顎・口唇の随意的閉鎖、
上唇での摂り込みなど |
| 押し潰し機能獲得期 | 口角の水平の動き
(左右対称)、
扁平な赤唇など |
| すり潰し機能獲得期 | 頬と口唇の協調、
口角の引き、顎の偏位など |
| 自食準備期 | 歯がため遊び、
手づかみ遊びなど |
| 手づかみ食べ機能獲得期 | 頚部の回旋、
手掌での押し込み、
前歯咬断など |
| 食器食べ機能獲得期 | 頚部の回旋、
食器の口角からの挿入、
食器での押し込みなど |
| 森崎市治郎ほか : 障害者歯科ガイドブック. 医歯薬出版、 p.100 |
注 蠕動運動 : 波打つような動き

<トピックス>
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